A.R.T. vol.0: 2006年3月5日
SIGA+E: Attack Review Tour vol.0報告 [ディスカッション記録:PDF]
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・1. 工学者と芸術家の交差点
・2. 工学者でも芸術家でもない
・3. 工学から科学へ
・4. アイデンティティの難しさ
・5. 社会の中のテクノロジーアート
・6. 自己言及と社会的役割
SIGA+E: Attack Review Tour vol.0報告 [ダイジェスト版]

2006年3月5日、日本バーチャルリアリティ学会の新研究会「アート&エンタテインメント研究会」の活動のひとつである「Attack Review Tour(A.R.T..)」の第1回目(正式にはVol.0)が催された。
今回、その案内役は、多摩美術大学教授でデジタルミュージックの先駆的存在である久保田晃弘先生にお引き受けいただいた。なお、久保田先生は、本研究会の顧問もお願いしている。さらに、長谷川晶一氏(東京工業大学)田中浩也氏(慶應義塾大学SFC)、渡邊淳司氏(JSTさきがけ@NTT)、チェン ドミニク氏(東京大学)、筧康明(東京大学)の5名が参加した。
まず、午前11時秋葉原に集合。マルツメイク館ハンダルームにてCircuit Bending Workshopの見学(参加ではなく見学のみ)に訪れた。
Circuit Bendingとは、A.R.T.参加者の多くには耳慣れない言葉であったが、「音の鳴る玩具の回路をハードウェア的に改造して(ショートさせて)、自分なりの楽器を作る」という文化を指している。ワークショップには大学生が10人程度、それぞれ自分の改造したい玩具を持ち寄って参加していた。はじめにワークショップ主催者からCircuit Bendingの定義や、歴史、改造の仕方などに関するレクチャーを受けたあとに、それぞれがハンダゴテを持って改造を行う様子を見学した。既存のおもちゃから、到底想像できないような音が鳴る様は、A.R.T.参加者にとっても新鮮な体験であった。
その後、ワークショップ会場を後にして、ファミレスでの昼食休憩。この時間を利用してCircuit Bendingに関するそれぞれの感想を述べ合った。中でも「電気・機械的な知識がなくても、メディアを作ることができるのは素晴らしい」「メディアアートの入門として有用だ」「ハードウェアの改造という点が目に見えて、直感的でよい」といった意見が出た。さらに議論は白熱し、SFCや情報学環を例に,教育機関における異分野の融合に関する意見交換へと発展していった。
昼食後は恵比寿の東京都写真美術館に移動し、第9回文化庁メディア芸術祭の鑑賞へと向かった。メディア芸術祭の数ある展示の中で、今回は主にインタラクティブアート部門の展示とデバイスアート展をレビュー対象とした。展示では、それぞれの作品について久保田先生のアートの観点からの解説、長谷川先生を中心としたエンジニアの観点からの新規性などが述べられ、さらに作品によっては作家自身の解説を伺った。
その後、参加者はカフェにて再度今日のレビューに関する感想を述べ合った。作品が評価される基準、アートの定義、アーティストと科学者の考え方の違いと共通点など各人が疑問や意見をぶつけあった。展示の感想のみならず、日頃話す機会の少ない他分野の事情や広い意味でのメディアアートやメディアデザインに関する意見交換をできたことは大変有意義であったように思う。
今後、本研究会では、アートイベントや展覧会に限らず、工学関連の展示会やシンポジウムなど幅広いイベントを対象にして、A.R.T.を展開していく予定である。さらに、今回はテストケースとして研究会顧問・委員の参加だけにとどめたが、今後はより多くの方々が参加できる活動とすることを検討している。
[文責] 筧 康明(東京大学大学院・学際情報学府 博士課程)


